母の行動。
毎晩お風呂の時、身体を清めるように真冬でも冷水を浴びていた。毎日手を組んでお祈りもしていた。
定期的に道場と呼ぶ場所へ行っていた。私も何回か連れて行かれたけれど、受付で知らないおばさんと母が戻ってくるのを待っていた。姉妹で車で待たされた記憶もある。
学校から帰っても母がいなくて、家も開いていなくて、家の外でずっと待っていた記憶。見かねた隣の家のおばさんが家にあげてくれて、おやつをもらった記憶。母を待ちきれなくて、とぼとぼ歩いて祖父母の家に行った記憶。
神様にまつわるアニメのビデオテープがたくさんあって、よく見せられていた。アダムとイヴ、ノアの箱舟。
私は神の子だと言われ、同じ血筋の人と結婚しなければいけないと言われた。犬も違う血統同士だと雑種になるでしょ、今の家系は呪われているからと。
にこやかな母の記憶はあまり無い、いつもどんより暗い顔をしていた。どこかへ出かけたあとだけ晴れやかな顔をしていた。
おそらく全て小学生のころの記憶。