旧統一教会、信者の娘の記憶

信者の母と、その家族の記録。

安倍さんの事件。

あまりに衝撃的だったのと、事件をきっかけに情報が多く出回ったこともあり、恥ずかしながら統一教会の大きさと日本での根深さを初めて知った。

カルト宗教にハマって家族が苦労しているなんて、ごく一部の人の不運だと思っていたが、想像以上に規模が大きくて驚いた。2世と呼ばれる人がさらに大変な思いをしていることも知った。

 

母は自分の宗教について、一切口外しなかったのと、あまりにも現実世界からかけ離れたところにいて、まともな会話は不可能だった。父は宗教の話になると怒り狂うので、宗教の話は家の中ではタブー。中高生だった私はその現実から逃げ、親に対してただ反抗していただけだった。宗教について知ろうとしていなかったし、家族で真剣に向き合って話し合ったこともない。友達に言うような話でも無いので、人に話したことも無い。


山上被告の行為はどんな理由があろうと許されることではなかったけれど、そこまで追い詰められていたのかと、少しは分かってしまうという複雑な心境だった。他人を殺めようという思いは私には無かったけれど、母には早く死んで欲しいとずっと思っていたし、今でも父が母より先に死なないで欲しいと思っている。


事件当時は毎日ニュースで統一教会の名前を聞くたびに気持ちがザワザワした。

最近の違和感。

一昨年、母の父、私の祖父が亡くなった。

その後ぐらいから、実家の物が極端に無くなっていった。

極度の断捨離にはまったらしい。

電子レンジも炊飯器もテレビも無ければ、今まで帰省の度にみんなで使っていた食器も無くなっていた。

ある程度生活感のあった実家は、無機質で誰も住んでいないような家になっていた。


1年ぶりに帰省して様変わりした実家を見て、妹や父親に大丈夫なの?と思わず聞く。○○先生という人にハマって、高額な講習会に通っているとかなんとか。

あぁ、やはりあの人は何かに依存しなければ生きていけないんだと、再確認。

久しぶりに孫が遊びに来ても上の空で、断捨離のことだけが頭にある様子。

 

家のものを片っ端から処分したあとは、新しく買ったものまですぐに処分してしまうらしい。

断捨離のメンバーと毎日のように交流していて、父の食事の準備もしなくなったと妹から聞いた。近所に住む妹が父の食事を届けるのは母が嫌な顔をするからできないと。


母の様子を見て父も危機感を感じたらしく、財産をどう守っていくか、計画を実行にうつすことにした。

私も昔の記憶がフラッシュバックしたのでこれを機会に昔の記憶を記録することにした。